今回、県税の再差押えで状況は一変致しました。債権者の4社中3社が税金関係という事で、こちらを立てればあちらがヘソを曲げ、あちらを立てればこちらがヘソを曲げる。そんな状況を打開すべく、友好的買収という結論に至りました。
不動産を買収するに当たり、不動産鑑定を行いました。鑑定書に基づき友好的買収を行います。言ってみれば任意売却のようなものです。競売という事態に至らない最善策です。
買収金で各債権者に債務をお支払い致します。差押えは解除され売買可能となります。将来的にオーナー様が不動産を買い戻すのであればそれも可能です。
今回、再建会社は億単位の役員借入が有りました。これは相続時に大きな弊害となります。売買で簿価を大きく目減りするため、特別損失の計上で相殺出来ます。税務署に指摘されないよう、不動産鑑定価格は重要な売買基準価格となります。
今回の再生計画は、債権者が税金関係という事でまとめられず、ある程度大きな資金が必要となってしまいました。税金関係でなければ会社も事業も残し、分割で再建していくということも十分可能であると私は思います。
オーナー会社は一旦休眠となりますが、事業は継承され、この先も運営されます。
会社再建とは、会社を残すことではなく、事業を残す事なのです。